坂井紅介/Benisuke Sakai
2015年12月
Gratitude 2015  (2015.12.4[Fri])

井上淑彦さんの曲を演奏する、
フューズ、クリプシドラ、ゼファー、
3バンド合同による、
NHK-FM「セッション2015」の公開録音を終えました。


放送は「セッション2016」になります。
放送予定日は、
本放送;2月14日 (日) 午後10:30〜11:30
再放送;2月19日 (金) 午前10:00〜11:00
【放送予定は急遽変更となる場合がございます。
あらかじめご了承ください】
http://www4.nhk.or.jp/session/



井上さんの曲を愛するミュージシャンで想像以上の出来、
「井上淑彦メモリアルオーケストラ」
と呼べるようなサウンドがしました。
あの中で井上さんに吹いてもらいたかった。



正月のfuseドルフィ3デイズの際に、
ゼファー、クリプシドラから応援に来てもらったのを始まりに、
横浜ジャズプロムナード、
10月ドルフィ3バンド合同演奏、
そして昨日のNHKと、
みんなで井上さんの復帰を待ち望んでのステージ。
心寄せるミュージシャンと一緒できました。


演奏後、想像ですが、
井上さんがお客様におじぎしている姿や、
メンバーを誇らしげに紹介する声、
楽屋に戻って「ありがとう、ありがとう」と言いながら、
メンバー一人一人とハグをしている光景が見えるようでした。



1つ思い出したことがあります。
井上さんがfuse以外にもバンドを立ち上げる頃、
一度だけ誘われたことがあります。
「他のバンドもやってくれる?」


「fuseに専念したい」と断ると、
井上さんは笑いながら、
「紅介はそう言うと思っていたよ」。


井上さんとの出会いは古いですが、
この16年はfuseだけですから、
他のユニットを知りません。


病気を聞いてすぐ、
井上曲を演奏しているミュージシャンと店を書き出してもらい、
井上さんの活動範囲の広さに驚きました。


共演者や店に尋ねると、
初めて聞くエピソードや名演録音が聞けました。
私の知らない井上淑彦もいました。


どんな場面でも自分の表現を貫く姿勢は変わらず、
どこに行っても魅力ある存在で愛されていました。



NHKから帰宅し井上さんに献杯。
成功の美酒と、
井上さんにありがとうを。
そしてFUSEのことを。
そして、
あらためてご冥福を祈りました。



fuseには免疫?があるのかもしれない、
先月メンバーからのメールを読んで、
そう思いました。
『井上さんは休業を終えてまた復帰すると、
まだ思えている自分がいますが、、』


fuseの歴史の中で、
井上さんは2回演奏活動を休止した時期がありました。
その間、僕らはfusという名で、
井上さんがそこにいなくとも、
井上さんの復帰を信じ、
バンドを守った経験があります。


メールは続きます。
『fuse=井上さんなんだなと、


FUSEとして続く事は、
井上さんがそこにずっといる、という事、、


面白い、いい演奏、を作りたいなと、
そんなバンドに発展したい、と。』



いろいろなバンドで、
「井上曲を演奏しよう」と言われます。
井上さんや井上曲を愛するミュージシャンやファンと会います。
作品集出版やソロサックスCDの話もあります。
未発表録音はあちこちにあります。
「ぜひFUSEで来てください!」
井上さんが作ってくれた縁を行く先々で感じます。
fuseもまた井上さんが作ってくれた大切な縁で、
16年間で縁は益々強固になりました。
メンバーは多少の誤差はありますが、
方向はそろっています。
これまで以上に井上曲に熱く取り組めると思っています。
それがFUSEです。



井上さんは、
「誰一人欠けてもfuseではない」
と言ったことがあります。
fuseの名前をだいじにしてくれました。
僕らもfuseの名を大切にしまいます。


多くの井上淑彦ファン、
fuseファンの方々、
これまで、
ありがとうございました。
そして、
あらためて井上さんに感謝を込めて、
ご冥福を祈ります。




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