坂井紅介/Benisuke Sakai
2009年02月
竹野町、覚えていますか?  (2009.2.25[Wed])

以前(2008,7/1)、
紅日記で紹介させていただいた
タムラ工房のHP
http://www.eonet.ne.jp/~tamurakoubou/
が更新されています。

日本の自然のこと、地球の変化は
知っておきたいですよね?

更新コメントの中で心に留まった言葉、
「何年もかけて作り上げてきた生活文化が、
ものすごい速さで失われていくように感じてしまう」

これって、
若い人達には無縁な感慨でしょうか?

そうは思いません。


最近特に思うこと、

若い人達はちゃんとしています!

大人よりも、きちんと話せる人間が多いのに驚きます。

大人がハッとさせられるような、
しっかりした考え方で進んでいたり、
思いやりも普通に持っていたり。

ボランティアや反戦活動では、
気張らないのに、
着実に成果を上げ、
若者の輪が世界に広がっている。
私が学生の頃に
出来なかったことです。

優しくて逞しい人達。
地球の未来、人類の未来を
任せたくなる気がしてきます。

マスコミは、
成人式で暴れる若者や、
できないおバカタレントさんをネタで取り上げますが、

大多数の若者は実にきちんとしている、
現場の実感です。

周りの若者を見直してみませんか?


そして、

若い人達には、
「大人の経験に好奇心を持てたら、
いい関係と面白い世の中が作れる」と思う。

年齢を越えた共同作業ができるって、
素敵なことです。



もう一つ情報があります。

去年おじゃました(紅日記9/15に記)
樂土舎さんからの情報で、
舞踏家の田中泯さんがナレーション出演、

NHKクルー渾身の作品のようです。
NHKハイビジョン特集
「ヤノマミ〜奥アマゾン
原初の森に生きる〜」

クロード・ギュスタヴ・レヴィ=ストロース(Claude Gustave Levi-Strauss
フランスの社会人類学者、思想家)
が訪ねた村でも知られる、
アマゾンの奥地にある村。

NHK取材班は、
世界初となる150日間の彼らとの共同生活を経て、
この映像をあるが如く撮影した。

田中泯は彼らクルーの熱意に打たれ、
ナレーションで出演。

彼らの「今」 を私(私たちの)「今」として深く考えようとする時に、
私は(私たちは)なぜ、こんな にも、、、
解決不可能な、名付けようのない感覚に取り囲まれてしまうのだろうか。。。
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*再放送は、確定し次第、このページ
http://www3.tokai.or.jp/rakudosha/
にて告知しますが、
現在のところ3月中旬には確定する予定。
(予定)NHKスペシャル
放送日 4月12日 日曜日 21:00 〜

だそうです。


水の国  (2009.2.22[Sun])

羽田から松山へ飛んだ。

いつもなら眠ると決めこむのだが、
今日は起きていたくなった。

そのおかげで、
窓から珍しい光景を目にすることができた。

離陸して、まだ陸地が見える低い高度の頃、
地上からのスポットライトが
飛行機をずっと追い続けている。

何?

低い位置の、湿気を蓄えた霧のような空気が、
水面のように、
太陽光を反射しているのだ。

斜め上から太陽、
斜め下から反射した太陽。

二つの淡い蜃気楼のような太陽が、
ずっと飛行機を照らし続けている。



「松山空港周辺は雨」、
機内アナウンスを聞いて、
窓から見たら、

すぐ下の雲から
雨の筋が横に流れている。

雲から落ち始めた瞬間の雨、
生まれたての雨を
眼下に見る不思議。


その雲をくぐり降下すると、
開けた景色は、
海と雲と霧と雨。

水だらけ。

海も空気も陸地も、
大量の水を蓄えている。

地球は、日本は、
ほとんどが水かぁ。

地上にいると高い高層ビルでも、
上空から見れば、
人は限られた陸地に、
はいつくばって生きているように見える。

水の星、水の国。


預けたベースを受け取り、
迎えの車に積み込む際、
いつもは欝陶しい雨が、
今日は妙に体に優しく、
愛おしく感じた。

菜種梅雨と呼ぶにはちょっと早いけれど。
自分が水生動物にでもなったような感じ。



『雨、雨、降れ、降れ、
母さんが〜、
蛇の目でお迎え、
嬉しいな〜、
ピチピチ、チャプチャプ、
ランランラン〜』
(詞:北原白秋)


「いいお湿りですね。」

母達がこんな挨拶を交わしていたのは、
もっと後、
暑い夏の会話だっただろうか。


花ざかり  (2009.2.1[Sun])

最近の紅日記は、
食べ物と人物の紹介コーナー
になっておりますね。

私の関心事でございます。

お付き合いいただきまして、
嬉しゅうございます。


暮れの日記に、
香西かおりさんの名前だけを載せたのが、
気になっておりました。


今日は、歌手、
それも日本語の歌い手さんを
紹介しようと思います。



香西さんとは、
Asian Fantasy Orchestra
1998 アジアツアーの時に、
ゲストヴォーカルとして参加していただいたのが最初です。

ベトナム公演だったと思いますが、
巨大ホールでの本番中に、

突然、停電!

音も出ず、
我々は、お手上げ状態。

かろうじて会場に薄明かりが点いた時、

大ステージの一番前まで
一人で進み出て、

大観衆に向かって
ノー・マイク&アカペラ(無伴奏)で歌いきった時、

このかたの技量と自負、
越えてきた修練の大きさを垣間見た気がして、
我が身が震えたのを覚えています。

大喝采を浴び、
ニコニコして我々の方を振り返っていられました。

ものすごくしっかりと
ステージを大地にしている人だと感じました。



Asian Fantasy Orchestraのゲスト歌手は、
毎回、素晴らしかった!

2003年ゲストの、
RIKKIさん(島唄)。

唄い踊る姿は、
リハーサルの時から私、
見惚れていました。

小さい体から放たれる
気持ちよいバイブレーション。

地球規模の表現ができる人だと思いました。


長唄の今藤郁子さんと共演できたことは、
大切な宝物、大きな財産です。

沖縄民謡の大工哲弘&苗子夫妻や、
津軽三味線の木下伸市さん、
唄や三線や踊りを含めて、
思いが力強く、ストレートに伝わってきました。

1998年のアジアツアーだけが、
ライブ盤になりました。



しらいみちよさん
(紅日記07/12/08に紹介)は、

「日本のブルース 童謡」

というタイトルのCDを出しています。
(私も参加しています)

童謡の歌詞も凄いですが、
(「五木の子守唄」の原メロディーが聞けます)

日本語歌詞のオリジナル曲は、
和の風情。

ステージ上の彼女は、
天女に見えたり、おいらんに見えたり。
七変化の妙を私は味わいます。

人と自然との共生、調和を提示する
活動家としての顔も持っていらっしゃいます。



童謡ではありませんが、
伊藤君子(ペコ)さんが
津軽弁でジャズスタンダードを歌ったCDを出しています。
「JAZZ DA GA ? JAZZ DA JA !」

なぜ津軽弁?
当初は不可解でしたが、
これが、いいんです!
ペコさんの歌にシビレます。

ペコさん、デビューは演歌歌手、
(アレッ、内緒だったかな?)

香西さんと同様で、
凛とした立ち姿と、
歌詞を大切に表現。

もちろん、英語は確かな人ですが、
聞く者にはさらに通じない津軽弁なのに、
よりダイレクトにソウルフルに伝わってくるのは
私だけの感想ではないと思います。

ライブでは、
津軽弁コーナーが始まると、
お客さんの表情が和らぐんです。

「津軽弁サマータイム」
を聞いた英語圏の歌手が、
影響受けて、どう歌い始めるか、
それも楽しみです。
CDは私がベースを弾いています。



演歌といえば、
八代亜紀さん?(ニコッ)

亜紀さんが、
クリスマス曲をジャズバラードで歌うCDに参加させていただきました。

あれこれ考えたアレンジが不要になるほどの、
歌唱力・表現力でした。

歌の上手い人は、
どのジャンルを歌っても上手い!
というのが、その時に得た私の実感です。



美空ひばりさんが、
ジャズを歌った録音を
聞いたことがありますか?

4枚は出ているでしょうか、
クリビツテンギョウ!
=びっくり仰天!

舶来の雰囲気、たくさん。
=「ライハクのイキフン、サンタク」。
(なぜバンドマン変格活用なんだ?)



そういえば、
沢田研二さんも、
ジャズスタンダードに日本語の詞を付けて歌っている録音があります。
(私も参加)

歌詞は、翻訳ではなく、
曲のタイトルや英詞の内容を元にして、
著名な作詞家さん達が
イメージを膨らませ、
オリジナルの日本語詞を付けています。

レコーディングだけじゃ、モッタイナイ!
とプロデューサーにおねだりしたら、
豪華フルオーケストラのコンサートツアーも回れました。

沢田さん(ジュリー)、
きれいでしたし、
みごとな歌いっぷりでした。
(ビデオにもなりました)



ジャズ歌手のK・Lさんは、
演歌唄わすと上手いですよ〜(笑)


まだまだ他にもいますが
今日はこの辺で。

思い出して書いているだけで興奮します。
存在感の大きい歌い手さん達です。



この日記を書いている間に、
遠藤実さん(歌謡曲おもに演歌の作曲家、2008年逝)
の言葉が放送されていました。

「歌という花を咲かせる一農夫として、
これからも曲を作り続けます」。


素敵な言葉〜



やられました。


農夫とか農民て、

差別用語じゃないですよ。

日本の食べ物が美味しいのは、
世界に誇れるこのかた達のおかげです。

農業は、
私達日本人のルーツ。

食事は文化の基本。

遺伝子の中には、
農耕民族の心も続いているでしょう。


歌は花で、
作曲家は農夫かぁ・・・


手間隙かけて、
愛情そそいで
育て上げたんでしょうね〜


曲作りと農作業。

なんだか、
遠藤先生の言葉に、
ハマっちゃった私です。


今日、紹介した歌い手さん達が、
いろんな花に見えてきました。

日本にしっかり根づいて立つ、
あるいは、
美しい居ずまいの、
花のような人達。

以前紹介した海外の歌手も、
そのお国の花なんでしょう。

私達は、花に囲まれているんですね。


曲作りのイメージが湧いてきました。


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