坂井紅介/Benisuke Sakai
2009年10月
すごいぞ、先輩!  (2009.10.24[Sat])

今月は、ドラムがリーダーのバンド三つに呼ばれ演奏しました。

森山威男「ニュークインテット」、
海老沢一博「キープゴーイング」、
村上ポンタ秀一「4 SPIRITS」、


光栄だと感じます。


私の音楽人生を長く引っ張ってくれた日野元彦さん(Ds)は、
生前、

「ドラムとベースは夫婦だから」

とおっしゃっていました。

ドラマーから重要なパートナーとして声がかかり、
ましてや尊敬する先輩から、

胸を張って受けたい、
全力投球したいと決めました。


さて、このお三方、

MCでは、ご自分の年齢をネタにしていましたが、

パワー溢れる嵐のようなドラミングは周知の事実。

しかも大音量でも美しい。
コントロールされているフォルテシモ。

なおかつ(ここも重要)、
小音量でもスピード感が落ちない。

こんな言い方は失礼なのですが、

聞こえる打音は物凄く、目にもとまらぬ早業であっても、
動きがしなやか、なめらか、品がある。

無駄な力や動きが無いから?

確かなテクニックがあるからこそ、
この年齢であのパワフルなプレイを可能にしているのでしょう。

そして、素敵な健康管理と、上を目指す姿勢。
頭が下がります。


楽器に支配され手足バタつかせているドラマーとは次元が違う、

ドラムを自在に操り、
音楽を創造する、
経験豊富なお三方です。


次回ライブは来年になりますが、
ぜひチェックして来て下さいね。



もちろん、ほかにも良いドラマーはいますよ〜!

(言っておかないと嫌われる?)


12月に久しぶりに共演する東原力也、
上記のお三方に列ぶパワフル&ビューティフルドラマーですよね。
楽しみにしています。

fuse再開でまた一緒に作っていけるつのだ健、

好きなので、いろいろ引っ張り回しちゃっている、
井上功一、加納樹麻、

昨日久しぶりの共演だった江藤良人、

明日からまたツアーするベン・ウィットマン、等など、

夫婦役にこんなに恵まれていて、

重婚で訴えられそうな幸せな毎日。


ていうか、私!
は〜い、私、ちゃんとしま〜す!



昨夜の客席には高校の同級生が1テーブルを囲み、
40年ぶりの顔が、私がプロでいることを心底喜んでくれて。

そういえば、一昨日共演した、ドラムの関根英雄さん、
私が20才の時に一緒のバンドに在籍していましたが、
何気ない関根先輩の一言のおかげで、
私はミュージシャンをあきらめないですみました。

人の出会い、縁って、
おもしろいですね。
大切にしたいです。



私がプロになった日の話をしましょうか?


19才。楽器持って半年。

ジャズ学校の授業料が払えなくなり、
退学の手続きをしていたら、
その場に居合わせた力ある先生の口ききで授業料が免除になり、
さらに、六本木交差点近くにあったピアノバーを
勉強&仕事場として紹介して下さり。

そこでご一緒したドラムのかたが、
当時クラブ全盛期、
六本木で数軒クラブを掛け持ちで演奏するほどの人気ドラマー&ハードドランカー。

入店してすぐのある日、
演奏後に言われる、
「おい、ベースの兄ちゃん、
お前はプロになるのか?」

「はい、なりたいです。」

「バカヤロー!

なりたいっていうのは、運が良ければなっちゃおう、っていう甘い考えだろ?!
俺が聞いているのは、
どんなことがあってもプロでやっていく覚悟があるのかどうかって聞いているんだよ!
男だったら一晩寝ずに考えれば結論出る。
明日、仕事が始まる前に返事しろよ!
それによってお前への態度が変わるから」。

「・・・・・」。



一晩寝ずに考えましたよ。

考えたってわからないんですが、、、

翌日、顔合わせて、
「俺、プロになります!
どんなに大変でも、
何があっても、
俺プロになります!」



先輩:「?・・・」



あれ???



先輩、昨日自分が言ったことを覚えていない?



あの夜が私がプロになった日です。
口に出して宣言しましたから。
私をプロにしてくれたのはあの先輩です。
本人は覚えてないけど(笑)


その後も運の良いのは続いていますが、
先輩の言葉は時々思い出します。

「バカヤロー!
運じゃない、覚悟だよ!」



人生は、
間違いないのか、
勘違いで過ごしてきたのか、

微妙だけど、
美味でもある。

長く生きているといろいろあるから、
大変なこともあるが、
見っけもんもあるし、
もしかしたら本物(本者)が見つかるかもしれないし、
もっと演奏続けたいから、
そろそろ先輩見習って健康管理、
長生きして取り組んでみようっと!


『シマフクロウ 次代に』  (2009.10.22[Thu])

紅日記で、何度か紹介してきた人ですが、
シンガーソングライターのしらいみちよさんの名前が、
今日の毎日新聞朝刊23面に載っています。

彼女が以前から応援してきた、
「虹別コロカムイの会」が、
「第15回日韓国際環境賞」を受賞し、
会長の舘定宣さんと共に、しらいさんの名前も載っていました。

会のメンバーにとっては、
この受賞は一通過点でしょうし、
新たな出発点でもあるのでしょうが、
多少存じ上げている人間として嬉しく思い、
お祝いの連絡をさせていただきました。

アイヌ語で「コタン・コロ・カムイ(村の守り神)」と呼ばれ、
アイヌ民族にあがめられてきたシマフクロウ。

その神の鳥が、
森林伐採ですみかを追われ、
河川改修や砂防ダムで餌となる小魚も奪われ、兵糧攻めに。

「いまならまだ間に合う」。

有志が会を結成し、
1994年、「シマフクロウの森づくり100年事業植樹祭」が始まりました。

「アンブレラ・スピーシーズ」。
生態系の頂点にある動物を保護することでその生態系全体が保護されるという意味だそうですが、
こうした概念が広がる以前から
ここでは既に実践していた。

緑の濃い河畔林が復元されれば、
飛び地のような「緑の回廊」ができ、
生息地間の移動・分散が容易となる。

しらいさんが協力し、
95年から10年連続で西別川流域コンサートを開催。
源流部から河口まで流域に暮らす人々の心を一つにつなげた。


「歩きながら考え、できることからやってきた」。

舘会長の言葉は、
環境保護活動をしている他の人達と同様で、
神の宿る生き物達や地球の、
無言の叫びに耳を傾けられる人のように思えてなりません。


「舘さんたちの熱い想いがなければ、
森作りはスタートしなかったと思います。
頑張ってきたことが、
少しずつ世の中に届いている。
人間てすごい!
すてたもんじゃないですよねー!!
思いも新たにまた頑張っていきたい。
私も熱く生きてゆきたいと思います」。
しらいさんの言葉です。


しらいみちよさんのHP
http://home1.netpalace.jp/shiraimichiyo/


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