坂井紅介/Benisuke Sakai
2007年12月
小言  (2007.12.21[Fri])

すごいですね〜、私のHP、
写真も見れるし、TRIPも聞ける!
(って驚いてる私が遅れてる?)
このHPを作り管理してくれているのは、「Y&Y」さん。
横浜ドルフィや多くのアーティストのHPも手掛ける人です。
私らしいHPで、いいでしょ?

私の回りには今でも携帯持つのを拒絶している凄いミュージシャンもいます。
私も一昨年あたりまでは、
「男同士の文通の趣味はない!声が聞きたい。」
とメール拒否を宣言していたのですが…、
今は便利に使ってます。
写真や音源は少しずつ増やしていきますので、お楽しみに。

世の中は良い方向に向かっているんでしょうか?
(ボヤキが入ってきてしまいました。苦笑)
日記で紹介した、しらいさんのエッセイの中に、
『便利さを追い求め破壊をくり返す人間。
もう気がついてもいいのではないでしょうか?』
という一文があったのを思い出したからですが。
先日、同年代の仲間達と、
「昔はどこの家庭の食卓でも出されていたのに最近見なくなった料理」
で盛り上がりました。
例えば、
挽き肉を使ったミートオムレツ、とか。
慣れ親しんだ慣習も無くなっちゃう?
『物』への執着は無い方ですが、
物を「一生もん」として愛着を持って使っていた文化がありました。
使われなくなった日本語表現や、その言葉が持っていた情感も一緒に無くなっていくのでしょうか。
未知なる世界にワクワクしながら始めたジャズや音楽も、便利な教材の普及で逆に無感動なまま上手くなっていく。
子供達の未来は…?
確かに年寄りのセリフですが、いいもの(と感じていた物事)が消えていくのは寂しい。
親や諸先輩、先人達が感じていたことと同じことを感じる歳になりました。

もちろん!文化は再生産されていくもの。
私だって旧来の因習と闘っていた時期があったのよ〜。
なかには、日本という枠を超えないと作れないこともある。
人類の未来は…
若者達よ、よろしくね!
って、任せられる気になっていないけど。
ボヤキジジイではなく、まだ、コゴトオヤジでいます。
『子を嘆くな、自分の来た道。
親を嘆くな、自分の行く道。』
みたいな格言もありました。
両方が見える歳になったということでしょうか。
ようし、コゴト言うぞ〜。

とりあえず、納豆のまぜかたと着付けにはうるさい。
こっちとら浅草っ子。三社は子供神輿からかついでいるのよ。
「気に入らなけりゃ帰(けえ)ってくれ!」。
下町オヤジやコゴトバアサン、
こういう人達も絶滅危惧種、世界遺産です。

やはり、しらいさんのエッセイに出てくる「ミズガキ」という言葉。
川で遊ぶ子供達のことです。
護岸工事で川に入れなくなり、絶滅の危機をむかえています。
小学生の頃、一度だけ、近所のガキ達と一緒に川で泳いだことがあります。
厳格だが物静かで、あまり人前に立つことを好まなかったはずの父が、
何故一人で近所の子供達を引率して埼玉の川まで行ったのか思い出せない。
流れが変わって水の恐さを体感した時、
背の高い父が立ったまま河原でこちらを見ていてくれて、
「大丈夫だよ、ちゃんと見ているよ」、
そう言っているように思えて安心したのを覚えている。

年越し…、
(その前にクリスマスがありますが)
いい習慣ですよね?
毎日が年越しだったらいいのに。そしたら毎日がお正月。
昨日イサカイがあった相手とも、年が明けたと思えば「おめでとう!今年もよろしくね」。
世界中で「おめでとう」「おめでとう」、
砲弾も飛ばず、ハンデを負った人達への慈愛の気持ちもきっと持てる。
毎日がお正月。

私にとっても、家族や仲間や読んで下さっている皆さん、お店や世の中にとっても、良い年であることを祈らずにはいられません。

年内に、HPスタート祝い飲み会もやります。
遅れて参加したネット文化ですが、
私、かなり喜んでます!


紹介します!  (2007.12.8[Sat])

今日は、美しい女性を二人(容姿だけではありませんよ)紹介いたします。
二人の共通点は、
歌手であり、そして、
『自然と共生する社会』を提唱する活動家でもあります。

しらいみちよ
http://home1.netpalace.jp/shiraimichiyo/
ピアノの大徳俊幸さんの誘いで初めて仕事した時、日本語の歌詞と、しらいさんの澄んだ声にヤラレました。
バンド(音職人)の一員に加えてもらい、毎回の仕事が気持ちよくて。
音響・照明・舞台スタッフも、みんな「いい人」なんです。
珍道中だが、なぜか素敵に上手くいっちゃう「一座」。
お日様や大地や水、虫さんや植物も彼女の味方についている気がします。
彼女もそれらを守る。
普段は、美しく明るく、気も利きますがオットットットなボケも披露してくれる。
でも、ひとたび自然破壊や理不尽な行為に出くわすと、権威に媚びない屈しない信念の人となり、一歩前へ出ています。
虫さんや植物達の「お母さん」になったように。
彼女のHPに一度入って行ってみて下さい。

レイラ・マリア Leira Maria
25年以上も前に知り合っていたことになります。
その頃私は「Spick and Span」というブラジリアンフュージョンのバンドでエレキベース弾いてました。
その時も大徳さんがいましたネ〜。
リーダーはドラムの吉田和雄。渡辺貞夫(SAX)と並んで、日本にブラジル音楽を根づかせた功労者です。
バンドは今でも存続していますよ!
そのバンドにゲストで来て歌っていたレイラ。
10年前にブラジルへ戻り、アマゾンの森林破壊に反対し、ミュージシャン達にも声をかけリーダーシップを取っていました。
悲しくも、この夏亡くなったんです。
運動のテーマソングとも言える曲のカセットを聞きました。
なんとかこのブラジル録音を広めたいと奔走したのですが、いろいろと障害もあり…。頑張ります!

何かの縁、何か地球上でのムーブメントを感じます。
それで今日、二人を紹介させていただきました。

私の曲『パキラ』も、
(バイオリンの寺井尚子のCD「Thinking of you」に入っています)
作曲のきっかけはTVでアマゾンの自然破壊を見て心が動いたから。
見終わって、リビングでゆらゆら揺れるパキラを見つめていたらメロディーが浮かんだので、そのままタイトルにしたのですが、
後でブラジル人から聞いた話によると、
パキラは水があまり無くても育つので他の植物を侵食するからブラジルでは良いイメージは無いそうでして…
失敗しちゃったカナ?

あっ、もう一人、ブラジル人女性歌手を紹介させて下さい。
今はブルーノートレーベルのアーティストになって活躍の Joyce 。
彼女が初来日で世界歌謡祭に来た時、前述の Spick and Span でサポートしました。
伊勢にあるリゾート合歓の郷でショーが終わってからのこと、
我々が宿泊しているコテージの前で彼女がギターで弾き語りを始めると、
茂みの中から小さい狸がゾロゾロと出て来て彼女の周りを囲み、座って聴き始めたんです。
想像してみて下さい、
月明かりの下、芝生の上で彼女が一人歌い、その周りをたくさんの狸が取り囲み彼女の歌を座って聴いている様子を。
信じられないでしょ?
夢みたいでしょ?
ホントの話です。

「日本語の曲歌いま〜す」
と言って歌い始めた一曲目は、屋台の「石焼き芋」の歌。
「イシヤ〜キイモ〜〜」
彼女の歌い方とギターのサウンドがあまりに素晴らしかったので、
「いい曲だねぇ〜今度バンドで演ろうかぁ…」とメンバー同士でささやいたのを覚えています。
私にとっての Joyce は、この時の Joyce です。
フラッシュを焚くと狸を驚かすと思ったので、部屋にあった便箋の裏を使って絵を描き始めました。
一枚で足りる筈だったのが、狸の輪がみるみる広がっていったので、結局9枚の大作になりました。
20年も前の話です。


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