坂井紅介

CD TRIP

Trip/Benisuke Sakai StarRecord :STAR-97002

Bass:坂井紅介
TenoeSax:峰 厚介
Alto&SopranoSax:土岐英史
Piano:大石 学
Drums:日野元彦

【収録曲】
<To Be To Be>
レコーデング当日の朝仕上がった曲ですが、さすが皆さん見事なつかみ。ねらいどおりトコさんの小気味よいHipHopのリズムでとばしてくれます。
ベースソロでは初のHigh-Cの弦を使ってみたのですが、次回からは多用しそうです。

<Habana Club>
よく飲み屋のカウンターで、こっちの会話に返事しては謝ったりする酔っ払いがいますよね。きっと人懐っこいいい人だと思うんです。
僕の好きなHabana Club7年もののように芳醇な土岐さんのソプラノ、そして峰さんのバッキングが絶妙な味わいです。
ところで僕のHabanaのボトルを空にして”俺が紅介だ!”と書いていったのは誰だ!?

<EL SOL>
スペイン語で「太陽」。キューバで強くアフリカを思わせる町を通った。以前、アフリカ、セネガルのゴレ島で激しい衝撃につらぬかれた。
アフリカ大陸から連れ去られた全ての奴隷がその島から船に乗せられたという。港から広がるあくまでも蒼い海。アフリカとキューバ、同じ南の太陽が人生を照らしている。

<Salaam>
スワヒリ語で「平和」の意です。アフリカに行ったのは1989年。山下洋輔さんの仕事で赤道付近6ヶ国を40日かけて回りました。
タンザニアの首都ダルエスサラームは、「平和の港」という意味だと知りました。なんて美しい地名なんだろう、その時この曲のモチーフができました。
とてもいい旅行をし、いい人にもいっばい巡り会いましたが、帰国後暫くして、友達になった一緒にプレイしたミュージシャンが反体制主義者として軍事政権に逮捕される
という報道を目にし、アフリカの現状を思い知らされました。何とかこの鼻歌のようなモチーフを力強いものにしたいと思いました。
「平和は待っていても来ない、闘ってつかみとるもの、闘う相手は敵じゃない、人の心の中にある悪意」むこうで聞いたこんな話を録音前にしたら、みんなの演奏はすごかった。
イントロ部分でトコさんがスネアドラムに口をつけてのヴォイス、僕も、ナイジェリアで友達が選んでくれたトーキングドラムで応えました。

<Who Means Me>
以前ライブでやった時、テナーのメロディにアルトがユニゾンで加わる部分でゾクゾクってしました。このゾクゾクをしたくて、
今回のレコーディングを2管でやることにしました。ピアノソロも絶品。

<Trip>
バンド”TRIP”のためのテーマソング。ライブに出かける時に出だしのメロディが浮かび、店に着くまでの車の中で作りました。信号待ちまで五線紙が持てません。
運転しながら、「赤信号になってくれ!」と願ったのはあの時が初めて。
せわしい曲調はそのため?何度もやっている曲ですが、いつもと違う展開となったテイク2をOKに選びました。

<Asante>
アフリカから帰る飛行機の中で作りました。出会ったいろんな人達に感謝、動物さんにも感謝、いろんな物事に感謝、仲間に、妻に家族に感謝、全てを含めて、神に感謝。
そんな気持ちでした。Asante アサンテはスワヒリ語の「ありがとう」。今回は皆さんに「ありがとう」、気持ち込めました。

<Tole Paint>
家具や身の回りの道具に描かれた模様や絵のことをトールペイントと言うんだそうです。
アメリカ開拓時代、移民の人々は、荒涼とした自然を切り開く中で、生活の道具たちに、ヨーロッパで伝統的に伝わっていた模様や絵を描き、
なつかしく、やさしい彩りを加えていったのでしょう。ヨーロッパの香りとアーリーアメリカンの匂いと人のぬくもり。
ある作家の作品が僕のピアノの上に置いてあって、それを見ながら弾いていたらこんなメロディができました。峰さんのテナーは息づかいが聞こえてきます。

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